実家を相続したらやることの順番|期限のある手続きと家の決め方を時系列で

実家を相続したらやることの順番を表すイメージ。架空の住宅街を見下ろした絵で、一軒の家から光の輪が道に沿って順に続いている

読了時間 約8分

対象読者:親の家(実家)を受け継ぐことになった/何から手を付ければよいか分からない/手続きの期限と、家をどうするかを順番に整理したい

※本記事の税制・控除に関する記載は、国税庁などの公表資料に沿った一般的な制度紹介です。税額の計算・特例が使えるかの判断・申告は税理士が行います(私は税理士ではありません)。個別のことは税理士または税務署(国税庁の電話相談もあります)にお問い合わせください。また、賃貸運用に関する記載は一般的な情報提供であり、投資助言・運用判断のアドバイスではありません。


「親の家を受け継ぐことになったけれど、何から手を付ければいいの?」

「手続きの期限がいくつもあると聞いて、不安です…」


「親の家を受け継ぐことになったけれど、何から手を付ければいいのか分からない」。この記事は、そう感じている方に向けて、いつまでにと決められた手続きと、家をどうするかの考え方を分けて、順番に整理したものです。

先にお伝えすると、最初に取りかかるのは家の行き先を決めることではありません。まずは遺言書と、受け継ぐものの全体を確かめるところから始めます。

この記事で分かること
  • 実家を受け継いだら、家のことより先に確かめること
  • いつまでに何をするかを並べた時系列の表と、申し出る先
  • 住む・貸す・売る・手放すを決めるための材料のそろえ方

この記事を書いた人

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目次

実家を受け継いだら、最初に何を確かめればいい?

【この章の結論】家の行き先より先に、遺言書があるかどうかと、親の財産・借入れの全体を確かめます

最初に確かめたいのは、遺言書があるかどうかと、親の財産と借入れの全体です。どちらも、家をどうするかより前に来る「受け継ぎ方」を考える材料になります。

裁判所の案内では、相続が開始した場合、相続人は次の三つのうちのいずれかを選択できます。

  • 単純承認:被相続人の土地の所有権等の権利や借金等の義務を、すべて受け継ぐ
  • 相続放棄:被相続人の権利や義務を、一切受け継がない
  • 限定承認:相続によって得た財産の限度で、被相続人の債務の負担を受け継ぐ(債務がどの程度あるか不明であり、財産が残る可能性もある場合等)

このうち、相続放棄又は限定承認をするには、家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。いつまでに申述するかは、次の章の表に載せています。

そのうえで私は、借入れがあるかどうかがはっきりしないうちは家の行き先の話を急がず、受け継ぎ方を考える材料を先にそろえる順番をおすすめしています。家族の思い出がある家ほど、気持ちの整理と手続きの整理を分けておくと、話し合いの順番を決めやすいからです。

また、封印のある遺言書が見つかったときは、その場で開けずに保管しておきます。裁判所の案内のとおり、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければならないことになっているためです。

「遺言書があるかどうかも、まだ分からないんです…」

まずは探すところからで大丈夫です。封印のある遺言書が見つかったら、開けずにそのまま保管しておいてください。

ここがポイント

  • 家の行き先より前に、遺言書の有無と、財産・借入れの全体を確かめる
  • 相続放棄・限定承認をするなら、家庭裁判所への申述が要る
  • 封印のある遺言書は、その場で開けずに保管する

手続きを時系列に並べると、いつまでに何をする?

【この章の結論】期限は手続きごとに数え始めの日が違います。表で、ご家族に当てはまる行を確かめます

遺言書の検認、相続放棄・限定承認の申述、準確定申告、相続税の申告と納税、相続登記には、それぞれ「いつまでに」と申し出る先が案内されています。ただし、数え始めの日は手続きごとに違うため、下の表は各行の言葉のまま読んでください。

スクロールできます
手続きいつまでに(数え始めは各行の言葉のとおり)申し出る先
遺言書を家庭裁判所に提出して、検認を請求する(遺言書の保管者又はこれを発見した相続人)遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
相続放棄の申述・限定承認の申述(限定承認は、相続人全員が共同して行う必要があります)自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
年の中途で死亡した人の場合に、相続人(包括受遺者を含みます)が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額および税額を計算して行う申告と納税(準確定申告)相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内被相続人の死亡当時の納税地の税務署長
相続税の申告と納税(必要となる場合)被相続人の死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署
相続登記(不動産を相続で取得した相続人の義務)不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内不動産を管轄する法務局
※各行の言葉は、裁判所・国税庁・法務省・法務局の案内に合わせています。

なお、裁判所の案内では、公正証書による遺言のほか、法務局において保管されている自筆証書遺言に関して交付される「遺言書情報証明書」は、検認の必要はありません。

相続税の行については、国税庁の案内で、相続税は、相続や遺贈によって取得した財産および相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、加算対象期間内に被相続人から暦年課税に係る贈与により取得した財産の価額を加算します)が基礎控除額を超える場合に、その超える部分(課税遺産総額)に対して課税されるとされています。

表のどの行が当てはまるかは、家族によって分かれます。たとえば、相続放棄も限定承認もしないなら、申述の行は当てはまりません。

「期限がいくつもあって、どれから気にすればいいのか…」

表の行ごとに、数え始めの日が違います。当てはまる行に印を付けて、数え始めの日を書き添えておくと整理しやすいですよ。

ここがポイント

  • 数え始めの日は、手続きごとに表の言葉のとおりに読む
  • 公正証書による遺言と遺言書情報証明書は、検認の必要がない
  • どの行が当てはまるかは、家族ごとに分かれる

🏠 実家のこと、何から始めればいいか一緒に整理します

相続した実家は、片付け・登記・兄弟との話し合い・売るか持つかの判断が重なって、なかなか動き出せないものです。LINEで「実家」とひとこと送っていただければ、相続した家の段取りチェックリスト(期限と相談先をまとめた1枚)をお送りします。

  • ✅ 今やること/まだやらなくていいことを、状況に合わせて整理します
  • ✅ 売る・貸す・持ち続けるの、それぞれの手元に残るお金の目安を一緒に出します
  • ✅ 税金・登記・相続人どうしの話し合いは、それぞれの専門家(税理士・司法書士・弁護士)の役割です。必要なときは、相談先の探し方もお伝えします

まずは整理だけ。ご依頼はそのあとで大丈夫です。返信は原則24時間以内、私(岡本)からお送りします。

家をどうするか決める材料は、どの順でそろえる?

【この章の結論】住む・貸す・売る・手放すを決める前に、「誰が・何を・持つと何が・売るなら」の順で材料をそろえます

私は、住む・貸す・売る・手放すのどれにするかを決める前に、次の順で材料をそろえることをおすすめしています。どれを選ぶかは、材料がそろってから家族で話すほうが、話がぶれにくいと考えているからです。

  1. 誰が受け継ぐか(遺言書の内容や、相続人どうしの話し合い)
  2. 何を受け継ぐか(実家のほかに、親の名義の不動産があるか)
  3. 持ち続けると何がかかるか(毎年の固定資産税と、空き家にしたときの管理)
  4. 売る・手放すなら、どんな区切りや要件があるか

まず誰が受け継ぐかについては、相続人どうしの話し合いがまとまらないときの道筋も知っておくと安心です。裁判所の案内では、遺産の分割について相続人の間で話合いがつかない場合には、家庭裁判所の遺産分割の調停又は審判の手続を利用することができます。

次に、親の名義の不動産がほかにもあるか分からないときは、「所有不動産記録証明制度」が手がかりになります。法務省の案内によると、この制度は、特定の被相続人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を、登記官が一覧にして証明書として交付するものです。相続人も請求できます。ただし、検索は請求する人が指定した氏名・住所等の条件で行われるため、登記に別の氏名・住所等で記録されている不動産は一覧に載りません。たとえば、親が引っ越したあとも登記の住所が古いままになっていそうなときは、以前の住所も検索の条件に入れることを考えておくとよいでしょう。その場合は、除かれた戸籍の附票の写しなど、以前の住所を証する書類が必要になることがあります。

持ち続けるなら、毎年の税もそろえておきたい材料です。大阪市の案内では、固定資産税は、賦課期日(毎年1月1日)現在の固定資産(土地・家屋・償却資産)の所有者に、その資産の価値(価格)をもとに納めていただく税金です。

また、空き家にするなら、誰が見回るかなど管理の段取りも考えておきます。国土交通省の案内では、適切に管理がされていない「特定空家予備軍」の空き家も、「管理不全空家」として、所有者に指導などを行う対象となりました。

売ることも考えるなら、税の扱いに売る時期の区切りがある点も材料になります。国税庁の案内では、相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から控除を受けることができます。

一方で、手放すことを考えるときの選択肢として、法務省の案内には、相続又は遺贈によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」があります。

どの材料が重くなるかは、家族の事情で分かれます。たとえば、きょうだいの誰も実家に住む予定がない場合は、持ち続けたときにかかるものと、売るときの区切りを並べて見比べることになります。反対に、誰かが住む予定なら、誰の名義にするかの話し合いが中心になります。

「売るか残すか、家族で意見が分かれそうで…」

どれにするかは、材料がそろってから話すほうがぶれにくいと私は考えています。まずは順番どおりに材料を集めてみましょう。

  • 親の名義の不動産がほかにないか確かめないまま、話を進めない
  • 空き家にするなら、管理の段取りが決まらないまま置いておかない
  • 売ることも考えるなら、税の扱いに売る時期の区切りがあるかを確かめておく

ここがポイント

  • 「誰が・何を・持つと何が・売るなら」の順に材料をそろえる
  • 親の名義の不動産は、所有不動産記録証明制度が手がかりになる
  • 空き家にするなら、管理の段取りも材料に入れる


まとめ

  • 家の行き先より前に、遺言書の有無と受け継ぎ方の見通しを立てる
  • 手続きの「いつまでに」は、数え始めの言葉ごとに読み分ける
  • 家の材料は「誰が・何を・持つと何が・売るなら」の順に

「まずは遺言書を探して、表に印を付けるところから始めてみます。」

まずは、遺言書が残されていないかを探し、時系列の表のうち、ご家族に当てはまる行に印を付けるところから始めてみてください。

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相続した実家は、片付け・登記・兄弟との話し合い・売るか持つかの判断が重なって、なかなか動き出せないものです。LINEで「実家」とひとこと送っていただければ、相続した家の段取りチェックリスト(期限と相談先をまとめた1枚)をお送りします。

  • ✅ 今やること/まだやらなくていいことを、状況に合わせて整理します
  • ✅ 売る・貸す・持ち続けるの、それぞれの手元に残るお金の目安を一緒に出します
  • ✅ 税金・登記・相続人どうしの話し合いは、それぞれの専門家(税理士・司法書士・弁護士)の役割です。必要なときは、相談先の探し方もお伝えします

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【参考情報】

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情報出典
裁判所 相続の放棄の申述www.courts.go.jp
裁判所 遺言書の検認www.courts.go.jp
裁判所 遺産分割調停www.courts.go.jp
国税庁 No.4102 相続税がかかる場合www.nta.go.jp
国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例www.nta.go.jp
法務省 所有不動産記録証明制度についてwww.moj.go.jp
法務省 相続土地国庫帰属制度についてwww.moj.go.jp
大阪市 固定資産税www.city.osaka.lg.jp
国土交通省 空き家対策 特設サイトwww.mlit.go.jp
※2026年11月2日時点で各機関の公式ページを確認しています。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の不動産取引を推奨するものではありません。記載情報は執筆時点のものです。手続きや税の扱いは、各窓口や専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

株式会社TERASSで、フリーランスの不動産エージェントとして活動中。

「住宅は、暮らしと人生の土台」と考え、物件の提案だけにとどまらず、ライフプラン・資金計画・子育て・老後まで見据えた“住宅コンサル型”の提案を得意としている。

得意な物件は、中古マンション・建売住宅・注文住宅の3領域。
特に注文住宅では、現在ハウスメーカー各社と打ち合わせを重ね、信頼できる優秀な営業担当との連携体制を構築中。

住宅ローン、資産形成、税金対策といった視点を大切にしながら、後悔のない住まい選びを一緒に考え、丁寧にサポート。

プライベートでは2児の父。
読書・サウナ・筋トレ・ブラジリアン柔術が心と体のリセット時間。

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