不動産を売却するvs賃貸に出す|どちらが得か10年間の収支シミュレーションで徹底比較【不動産プロが解説・2026年版】

この記事の読了時間:約12分

対象読者:売却か賃貸かで迷っている方 / 10年間の収支を数字で比較したい方 / 賃貸のリスクを把握したい方

※本記事は2026年4月時点の情報に基づいています。不動産の売買・賃貸判断は個別の状況により異なりますので、具体的な意思決定の前には必ず専門家にご相談ください。


「転勤が決まったんですが、マンションを売るか貸すかで悩んでいて…」

「賃貸に出せば家賃収入で住宅ローンを返せるって聞いたんですけど、本当ですか?」

「正直、売った後に値上がりしたら後悔しそうだし、でも大家になるのも不安で…」


「売るべきか、貸すべきか」——これは不動産を所有する方なら一度は考える悩みです。

ネット上には「賃貸に出した方が資産を活かせる」という意見もあれば、「早く売って確定した利益を手にすべき」という意見もあります。どちらにも一理ありますが、あなたにとってどちらが正解かは、具体的な数字で比較しないと判断できません。

不動産エージェントとして日々いただくご相談の中でも、「なんとなく貸した方が得そう」という感覚で賃貸を選び、数年後に「最初から売っておけばよかった」と後悔されるケースは少なくありません。逆に、焦って売却した結果、「賃貸に出していれば累計でもっと手元に残ったのに」というケースもあります。

大切なのは、感覚ではなく数字で判断することです。

この記事では、大阪・北摂エリアの築10年マンションを想定し、「売却した場合」と「賃貸に出した場合」の10年間の収支を具体的にシミュレーション。さらに、賃貸経営に潜む5つのリスクと、迷ったときの判断フレームワークをお伝えします。

この記事でわかること
  • 売却が有利な人・賃貸が有利な人の特徴(各5パターン)
  • 大阪・北摂の築10年マンションで10年間の収支シミュレーション比較
  • 賃貸に出す前に知っておくべき5つのリスク
  • 「売却→運用」と「賃貸経営」の本質的な違い
  • 迷ったときの判断フレームワーク(3つの質問)

まずは私の自己紹介から!

この記事を書いた人:🏠岡本岳大 TERASSパートナー/子育てパパ×不動産エージェント

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目次

売却vs賃貸|結論から言うと「あなたの状況次第」

【この章の結論】「どちらが得か」は個人の状況で変わる。まずは自分がどのパターンに当てはまるかチェックしましょう。

「売却と賃貸、どちらが得ですか?」——この質問に対して、正直にお答えすると「あなたの状況次第です」としか言えません。

ただし、「どちらが向いているか」を判断するためのパターンは明確に存在します。以下のチェックリストで、まずご自身の状況を確認してみてください。

売却が有利な人の特徴(5パターン)

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#パターン具体的な状況
戻る予定がない転居先での生活が確定しており、旧居に戻る可能性がほぼゼロ
ローン残債が少ない売却価格 > ローン残債で、十分な手取り額が確保できる
管理が面倒遠方への転居で物件管理に手が回らない。管理会社に任せるコストも負担に感じる
まとまった資金が必要住み替え・教育資金・事業資金など、今すぐまとまった現金が必要
築古で賃貸需要が低い築20年超の戸建てや、駅から遠いマンションなど入居者が見つかりにくい物件

①に該当する方は、賃貸に出しても「いつかは売却する」タイミングが来ます。築年数が進めば売却価格は下がる傾向にあるため、売り時を逃すリスクが最も大きいパターンです。

②については、ローン残債が少ないほど手取り額が大きくなり、その資金を運用に回す選択肢が生まれます。逆にオーバーローン(売却価格 < ローン残債)の場合は、持ち出しが発生するため売却のハードルが上がります。

④のように今すぐ資金が必要な場合は、賃貸収入は「月々の細かい入金」であり、ニーズに合いません。

→ つまり、5つのうち2つ以上に該当する方は、売却を優先的に検討する価値があります。

賃貸が有利な人の特徴(5パターン)

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#パターン具体的な状況
転勤で一時的に離れる3〜5年後に戻る可能性が高い(転勤命令が期間付き等)
好立地で賃貸需要が高い駅徒歩5分以内、人口増加エリア、築浅マンションなど
ローン返済を家賃で賄いたい家賃収入で住宅ローンの大部分をカバーできる見込みがある
将来戻る予定がある「子どもが巣立ったら戻りたい」等の具体的な計画がある
不動産資産として保有したい相続対策や資産分散の一環として不動産を持ち続けたい

①・④に該当する方は、売却してしまうと「戻る場所」がなくなります。戻るときに同等の物件を購入し直すコスト(不動産取得税・登記費用・仲介手数料)を考えると、一時的な賃貸の方が合理的なケースが多いです。

②の好立地物件は空室リスクが低く、安定した家賃収入が見込めます。ただし、「好立地」の判断を間違えると想定外の空室に苦しむことになるため、周辺の賃貸市場を冷静に分析する必要があります。

③については、後述するシミュレーションで詳しく検証しますが、住宅ローンの返済を家賃でカバーできたとしても、管理費・修繕積立金・固定資産税・空室リスクを加味するとキャッシュフローがマイナスになるケースは少なくありません。

ご相談を受ける中で感じるのは、「売るか貸すか」の判断を感覚で行う方が多いということです。しかし、この判断は10年後に数百万円の差を生むことも珍しくありません。次のセクションで、具体的な数字を使ってシミュレーションしてみましょう。

→ 結論として、「戻る予定がある」「好立地で賃貸需要が高い」の2つに該当しない場合、賃貸は慎重に検討した方がよいでしょう。


ここがポイント

  • 売却か賃貸かは「築年数・ローン残債・将来の居住意思」で判断
  • 築20年以上なら売却、築10年以内で戻る可能性があれば賃貸が有力
  • ローン残債が賃料収入を上回ると持ち出しリスク発生

10年間の収支シミュレーション|大阪・北摂のマンションで比較

【この章の結論】単純な数字比較では賃貸が上回るケースもあるが、リスク・手間を加味すると判断が変わる。

ここからは、大阪・北摂エリアの実例に近い条件で、「売却した場合」と「賃貸に出した場合」の10年間の収支を比較します。

共通条件の設定

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項目条件
物件築10年・3LDK・70㎡・北摂エリア(吹田市)
購入価格4,000万円(10年前)
現在の相場3,800万円(※2026年4月時点の北摂エリア中古マンション相場を参考)
ローン残債2,600万円(元利均等・35年・金利0.5%)
想定家賃月13万円(管理費込み)
※この条件は、北摂エリアで実際に流通している築10年・3LDKの中古マンションの相場感を反映したものです。個別の物件によって数字は変わります。

※以下のシミュレーション結果は、あくまで上記の条件に基づく概算です。実際の判断には、ご自身の物件に合わせた個別試算が不可欠です。

パターンA:売却した場合

売却した場合の手取り額を計算してみましょう。

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項目金額
売却価格3,800万円
ローン残債(一括返済)▲2,600万円
仲介手数料(3%+6万+税)▲約130万円
その他諸費用(印紙・抵当権抹消・引越し等)▲約30万円
手取り額約1,040万円

居住用財産の3,000万円特別控除を適用すれば、このケースでは譲渡所得税はゼロになります(※所有期間10年超のため軽減税率の特例も適用可能)。

この1,040万円を全額運用に回した場合のシミュレーションも見てみましょう。

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運用方法年利想定10年後の金額
普通預金0.1%約1,050万円
インデックス投資信託5%(※長期平均リターンの目安)約1,694万円
個人向け国債0.5%約1,093万円
※投資にはリスクがあり、年利5%は確定利回りではありません。元本割れの可能性もある点は念頭に置いてください。

インデックス投資(年利5%想定)に回した場合、10年後には約1,694万円になる計算です。元手1,040万円に対して約654万円の運用益が期待できます。

→ つまり、売却のメリットは「確定した手取り額」をすぐに手にできること。1,040万円の使い道は自由で、運用に回せば10年で大きく増える可能性があります。

パターンB:賃貸に出した場合

次に、同じ物件を10年間賃貸に出した場合の収支を計算します。

年間の収入と経費

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項目月額年額
家賃収入(満室時)13万円156万円
管理費・修繕積立金▲2.5万円▲30万円
固定資産税・都市計画税▲12万円
管理委託料(家賃の5%)▲0.65万円▲7.8万円
火災保険料▲2万円
空室損失(稼働率95%想定)▲7.8万円
年間純収益(1年目)約96万円

10年間の累計収益

家賃は一般的に10年間で約10%下落する傾向があります(※国土交通省「住宅市場動向調査」等を参考)。これを加味すると、10年間の累計純収益は以下のようになります。

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年数家賃(月額)年間純収益
1-3年目13万円約96万円/年
4-6年目12.4万円(▲5%)約88万円/年
7-10年目11.7万円(▲10%)約78万円/年
10年間合計約870万円

10年後に売却した場合

さらに、10年後(築20年時点)にこの物件を売却した場合の手取り額も計算します。

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項目金額
売却価格(築20年・残価率75%想定)2,850万円
ローン残債(10年後)▲1,600万円
仲介手数料・諸費用▲約100万円
手取り額約1,150万円

※築20年・賃貸中物件の場合、3,000万円特別控除は適用できない可能性があります(居住用財産の要件を満たさないため)。この場合、譲渡所得税が発生し、手取り額はさらに減少します。

パターンBの合計:10年間の累計家賃収益870万円 + 10年後の売却手取り1,150万円 = 合計約2,020万円

→ つまり、賃貸の場合は10年間で870万円のインカムゲインを得つつ、最終的に売却もできる。ただし、税金・修繕費の突発コストで実際の手取りは目減りする可能性が高い点に注意。

A・B比較表|10年後の結果

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比較項目パターンA(売却)パターンB(賃貸→売却)
10年間の収入運用益 約654万円(年利5%想定)家賃純収益 約870万円
10年後の手取り(元本含む)約1,694万円約1,150万円
合計約1,694万円約2,020万円
管理の手間なし大家業としての管理が必要
リスク投資リスク(元本変動あり)空室・家賃下落・修繕・税務リスク
税金3,000万円特別控除で税金ゼロ不動産所得の確定申告が毎年必要。売却時の控除適用が困難な場合あり
流動性売却時点で現金化完了10年間は不動産に資金が拘束される

数字だけを見ると、パターンBの方が約326万円多いという結果になりました。

しかし、これはあくまで「全てが想定通りに進んだ場合」の計算です。賃貸経営には、次のセクションで解説する5つのリスクが存在し、想定通りにいかないケースの方がむしろ多いのが現実です。

シミュレーション上は賃貸が有利に見えるケースでも、実際にご相談を受ける中で「賃貸にして後悔した」という声は決して少なくありません。数字の裏にあるリスクと手間を、次のセクションで正直にお伝えします。


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ここがポイント

  • 10年間の総収支では売却→運用が賃貸を上回るケースが多い
  • 賃貸は「空室リスク」「修繕費」「入居者トラブル」を織り込む必要
  • 売却益は3,000万円特別控除で大半が非課税になる

※税務・収支の試算は一般的なケースに基づく参考値です。正確な判断は税理士・不動産会社等の専門家にご相談ください。

賃貸に出す前に知っておくべき5つのリスク

【この章の結論】賃貸経営は「リスクなしの不労所得」ではない。5つのリスクを知った上で判断すべき。

「毎月家賃が入ってくるから安心」——そう思って賃貸を始める方は多いですが、実際にはさまざまなリスクが潜んでいます。先ほどのシミュレーションは「順調に進んだ場合」の数字です。ここからは、現実に直面しやすい5つのリスクを確認しましょう。

リスク①|空室リスク

北摂エリアの賃貸マンション平均稼働率は95%前後(※大阪府住宅統計調査等を参考)ですが、これは「平均」であり、個別の物件では大きく異なります。

特に、以下の条件に該当する物件は空室リスクが高くなります。

  • 駅から徒歩10分以上
  • 築15年を超えている
  • 1階の部屋
  • 周辺に新築賃貸マンションが増えている

空室が1ヶ月発生すると13万円の損失です。年間2ヶ月空室になれば26万円のマイナス。先ほどのシミュレーションで年間純収益は約96万円でしたから、空室2ヶ月で収益の約27%が吹き飛ぶ計算です。

さらに、入居者が退去するたびにハウスクリーニングや原状回復工事が必要になり、その間は家賃収入がゼロになります。退去から次の入居者が見つかるまで平均1〜3ヶ月かかるケースも珍しくありません。

→ つまり、空室は「家賃収入ゼロ」だけでなく、原状回復コストと募集期間のダブルパンチ。稼働率95%は楽観的な見積もりと考えた方がよいでしょう。

リスク②|家賃下落リスク

賃貸物件の家賃は、一般的に築年数の経過とともに下落します。目安として10年で約10%の低下が見込まれます。

月13万円の家賃が10年後には11.7万円に下がると、年間の収入差は15.6万円。10年間の累計では、家賃が一定だった場合と比べて約70〜80万円の収入減になります。

さらに、家賃は「一度下げると元に戻すのが困難」という特性があります。既存入居者に家賃値上げを交渉するのは法的にも現実的にもハードルが高く、「今の入居者には安い家賃のまま、次の入居者に高く貸す」という戦略もうまくいかないケースが多いです。

→ つまり、家賃下落は「じわじわと効いてくるリスク」。10年の累計で見ると想像以上に大きな影響を与えます。

リスク③|修繕費の突発的な発生

賃貸経営では、大家として物件のメンテナンス責任を負います。特に築10年以降は、設備の更新時期が重なりやすく、突発的な出費が発生します。

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修繕項目想定費用発生タイミング
給湯器交換20〜30万円築10〜15年
エアコン交換(1台)10〜15万円築10〜15年
退去時の原状回復(壁紙・床)10〜30万円退去のたび
水回り修繕(水栓・配管)5〜20万円築15年前後
共用部の大規模修繕一時金20〜50万円管理組合の決議次第

10年間で最低50〜100万円の修繕費を見込む必要があります。先ほどのシミュレーションには、この突発的な修繕費は含まれていません。

仮に10年間で80万円の修繕費が発生した場合、賃貸の合計収益は2,020万円 − 80万円 = 約1,940万円に減少します。

→ つまり、修繕費は「いつ・いくらかかるか」が読めない。計画的な積立がないと、突発的な出費で収支が一気に悪化します。

リスク④|住宅ローンから投資用ローンへの借り換え

見落とされがちですが、住宅ローンのまま賃貸に出すのは原則NGです。

住宅ローンは「本人または家族が居住する」ことを前提に、低金利で融資されています。賃貸に出す場合は、原則として金融機関に届け出て、投資用ローンへの借り換えが必要になります。

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項目住宅ローン投資用ローン
金利(目安)0.3〜0.8%1.5〜3.0%
残債2,600万円での月返済額約7.3万円約9.5〜11.5万円
年間返済額の差+約26〜50万円

金利が0.5%から2.5%に上昇した場合、月々の返済額は約4万円増加します。家賃収入13万円に対して返済額が約11万円になり、管理費等を差し引くとキャッシュフローがマイナスに転落する可能性があります。

※届け出をせず住宅ローンのまま賃貸に出した場合、金融機関に発覚すると一括返済を求められるリスクもあります。転勤等のやむを得ない事情であれば、届出の上で一定期間認められるケースもありますので、必ず事前に金融機関に相談してください。

→ つまり、住宅ローンの低金利が使えなくなる可能性がある点は、賃貸のシミュレーションで見落とされがちな最大の落とし穴です。

リスク⑤|確定申告と税務の手間

賃貸収入がある場合、会社員であっても毎年の確定申告が必要になります。

必要な作業は以下の通りです。

  • 帳簿の作成(家賃収入・経費を月次で記録)
  • 領収書・契約書類の保管
  • 減価償却費の計算
  • 確定申告書の作成・提出

自分で行う場合は毎年数日の作業が発生し、税理士に依頼する場合は年間5〜10万円の費用がかかります。10年間で50〜100万円のコストです。

また、不動産所得は他の所得と合算されるため、収入が増えることで所得税・住民税の税率が上がる可能性もあります。「家賃収入が入るから得」と思っていても、税金を引いた後の手取りで見ると想定より少ないというケースは珍しくありません。

→ つまり、賃貸経営は「不労所得」ではありません。帳簿・確定申告・税金対応の手間とコストを見落とさないこと。

5つのリスクを全て想定内に収められる方なら、賃貸経営は有力な選択肢です。しかし、「思っていたより大変だった」という声の方が圧倒的に多いのが現実です。

「賃貸に向いていないケース」チェックリスト:

  • 転居先が遠方で、物件を頻繁に見に行けない
  • 突発的な修繕費(50〜100万円)を支出する余裕がない
  • 確定申告や帳簿管理に時間を割きたくない
  • 空室が3ヶ月続いた場合に生活資金に影響が出る
  • 住宅ローンを投資用ローンに借り換えるとキャッシュフローがマイナスになる

→ 上記のうち2つ以上に該当する方は、売却を優先的に検討した方がよいかもしれません。


ここがポイント

  • 賃貸経営は「本業の傍らでできる副業」ではなく「小さな事業」
  • 空室期間の家賃ゼロ・修繕費急増・入居者トラブルに耐えられるか
  • 売却→インデックス投資の方がリスク分散・手間ゼロのメリットあり

「売却→運用」vs「賃貸経営」の本質的な違い

【この章の結論】売却は「確定利益」、賃貸は「不確定利益」。迷ったら3つの質問で判断できる。

数字のシミュレーションだけでは見えてこない、売却と賃貸の「本質的な違い」についてもお伝えします。

売却は「確定利益」、賃貸は「不確定利益」

売却と賃貸の最も大きな違いは、利益が「確定」しているか「不確定」かという点です。

売却の場合、売買契約が成立した時点で手取り額がほぼ確定します。あとは決済日に入金を待つだけです。リスクは「想定した価格で売れるかどうか」の一点に集約されます。

一方、賃貸の場合は、家賃収入は「見込み」に過ぎません。空室が発生すれば収入はゼロ、家賃が下落すれば収入も減少します。修繕費という突発支出のリスクもあります。10年後にトータルでいくら手元に残るかは、10年経ってみないとわからないのです。

「確定した利益」と「不確定だが潜在的に大きい利益」——どちらを選ぶかは、リスク許容度の問題です。

→ つまり、売却は「今、確実に手元に入る金額」が明確。賃貸は「うまくいけば多いが、リスク次第で減る」性質のお金。

賃貸経営は「事業」である覚悟が必要

賃貸に出すということは、「大家」という事業者になるということです。

管理会社に委託すれば日常の管理は任せられますが、最終的な意思決定と責任はオーナーにあります。入居者からのクレーム対応方針、修繕の判断、家賃の見直し、退去時の精算——すべてオーナーの判断が求められます。

「投資用不動産を1戸持っている」というのは、言い換えれば「規模の小さい不動産会社を経営している」のと同じです。投資家・経営者としてのマインドセットがないまま始めると、想定外のトラブルにストレスを感じやすくなります。

→ つまり、「管理会社に全部任せるから楽」は幻想。最終判断と責任はオーナーが負う事業であることを理解してから始めましょう。

迷ったときの判断フレームワーク(3つの質問)

質問①:5年以内にこの家に戻る予定がありますか?

この質問は「持ち家を手放せない理由があるか」を見極めるためのものです。転勤・海外赴任・親の介護など、明確に戻る時期が決まっている場合は、売却してしまうと戻る場所を失います。再度購入するには諸費用が数百万円単位で必要になるため、一時的な賃貸の方が合理的です。

  • Yes(戻る予定あり) → 賃貸を優先検討。定期借家契約で戻るタイミングを確保
  • No(戻る予定なし) → 売却を優先検討。築年数が進むほど価値が下がるため早めの決断が有利

→「いつか戻るかも」という曖昧な状態で賃貸に出すのは最もリスクが高いパターン。戻る時期が3年以内に決まっていなければ、売却前提で検討した方が後悔は少ないです。

質問②:賃貸に出した場合、月々のキャッシュフローはプラスですか?

キャッシュフロー=家賃収入 − ローン返済 − 管理費・修繕積立金 − 管理会社手数料(家賃の5%) − 固定資産税 − 修繕費積立で計算します。マイナスなら毎月の持ち出しが発生し、空室が出れば赤字が加速します。

  • Yes(プラス) → 賃貸を検討する価値あり。ただし空室率10%を織り込んで再計算
  • No(マイナス or 僅かなプラス) → 売却の方が経済的に合理的。持ち出しが続く賃貸は資産形成の妨げに

→「月々1万円のプラス」でも年間12万円。10年で120万円にしかならず、売却代金を運用した方が大きく増える可能性があります。表面利回りではなく実質利回りで判断してください。

質問③:確定申告や管理の手間を、10年間継続して許容できますか?

賃貸経営は「不労所得」ではなく「副業レベルの事業」です。確定申告(青色申告なら複式簿記)、入居者トラブル対応、修繕判断、家賃滞納対応など、想定外の手間が発生します。管理会社に委託しても最終判断は所有者が下す必要があります。

  • Yes(許容できる) → 賃貸の適性あり。本業が安定していて副業的な事業運営に抵抗がない方向け
  • No(手間は避けたい) → 売却の方がストレスなし。売却代金で投資信託等の受動運用が精神的にも楽

→「管理会社に丸投げすれば楽」は半分正解で半分間違い。入居者退去時の原状回復、大規模修繕の判断、税務対応は所有者の仕事として残り続けます。

→ 3つの質問のうち、2つ以上が「売却寄り」であれば、売却を軸に検討を進めることをおすすめします。

「どちらが正解か」に唯一の答えはありませんが、「どちらが自分に合っているか」は必ず見つかります。数字と状況を整理すれば、判断はクリアになるはずです。迷ったときは、一人で抱え込まずプロに相談するのも一つの選択肢です。


まとめ|売却か賃貸か、あなたの状況で最適解は変わる

【この章の結論】売却か賃貸か——数字と状況を照らし合わせれば、納得のいく判断は必ずできます。

  1. 売却が有利な人は「戻る予定なし・ローン残債が少ない・管理が面倒」に該当する方
  2. 賃貸が有利な人は「一時的な転居・好立地・将来戻る予定がある」に該当する方
  3. 北摂エリアの築10年マンションで10年間シミュレーションすると、売却→運用で約1,694万円、賃貸→売却で約2,020万円(ただし理想条件)
  4. 賃貸経営には空室・家賃下落・修繕費・ローン借り換え・確定申告の5大リスクがある
  5. 住宅ローンのまま賃貸に出すのは原則NGで、投資用ローンへの借り換えで金利が大幅上昇する可能性がある
  6. 売却は「確定利益」、賃貸は「不確定利益」。リスク許容度で判断が変わる
  7. 迷ったら3つの質問(戻る予定・キャッシュフロー・手間の許容)でセルフチェック

「売却か、賃貸か」——この判断は、人生の中でも大きな意思決定の一つです。正解は一つではありませんが、データと自分の状況を照らし合わせれば、納得のいく判断は必ずできます。

一人で悩み続けるより、プロの視点を取り入れることで見えてくるものがあります。


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【参考情報】

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情報源内容参照先
国土交通省住宅市場動向調査(2025年度)https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html
総務省統計局住宅・土地統計調査https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html
国税庁居住用財産の3,000万円特別控除https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
国税庁不動産所得の確定申告https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
不動産流通機構(REINS)近畿圏の中古マンション市場動向https://www.reins.or.jp/
大阪府大阪府の住宅統計データhttps://www.pref.osaka.lg.jp/jutaku/index.html
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この記事を書いた人

株式会社TERASSで、フリーランスの不動産エージェントとして活動中。

「住宅は、暮らしと人生の土台」と考え、物件の提案だけにとどまらず、ライフプラン・資金計画・子育て・老後まで見据えた“住宅コンサル型”の提案を得意としている。

得意な物件は、中古マンション・建売住宅・注文住宅の3領域。
特に注文住宅では、現在ハウスメーカー各社と打ち合わせを重ね、信頼できる優秀な営業担当との連携体制を構築中。

住宅ローン、資産形成、税金対策といった視点を大切にしながら、後悔のない住まい選びを一緒に考え、丁寧にサポート。

プライベートでは2児の父。
読書・サウナ・筋トレ・ブラジリアン柔術が心と体のリセット時間。

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