※本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。譲渡所得税・各種特例・税率は改正されることがあるため、具体的な税額の判断は最新情報とあわせて、必ず国税庁の情報や税務署・税理士にご確認ください。

「マンションが3,000万円で売れそうなんですが、その3,000万円がまるまる手元に入ってくるわけではない、と聞いて不安になっています。税金っていくらかかるんでしょう?」



「不動産を売ると『譲渡所得税』がかかると聞きました。でも計算式が複雑で、自分の場合いくらになるのか、どう調べればいいのか分からなくて…」



「親から相続した実家を売ろうと思っています。買ったときの金額が分からないと税金が高くなる、という話を聞いて怖くなってきました。本当ですか?」
不動産の売却で多くの方が最初に気にされるのは「いくらで売れるか」です。けれど、本当に大切なのは「売ったあと、税金や費用を引いて、いくら手元に残るか」——つまり手取り額のほうです。
私が売却のご相談を受けていて感じるのは、売却価格はとても熱心に調べる方でも、譲渡所得税まで含めた手取り額を計算している方は驚くほど少ない、ということです。そして売買契約が進んでから「思ったより手元に残らない」と気づき、住み替えや次の生活の資金計画が狂ってしまう——これは本当によくあるパターンなのです。
この記事では、不動産売却にかかる譲渡所得税の計算方法を3つのステップに分けてやさしく整理し、マンション・戸建て・相続物件・投資用ワンルームの4つのケースで手取り額を具体的にシミュレーションしていきます。読み終えるころには、「自分の家を売ったら、だいたいいくら残るのか」の見当がつくようになっているはずです。
- 不動産売却の「手取り額」の考え方と、売却価格から引かれる3つのもの
- 譲渡所得税の計算3ステップ(取得費・譲渡費用・特別控除)
- 所有期間で税率が約2倍変わる仕組み(短期・長期・10年超軽減税率)
- マイホーム売却で多くの税金がゼロになる「3,000万円特別控除」
- マンション・戸建て・相続・投資用、4ケースの手取り額シミュレーション
- シミュレーションでやりがちな3つの失敗と、売り出す前にやるべきこと


この記事を書いた人:🏠岡本岳大 TERASSパートナー/子育てパパ×不動産エージェント
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不動産売却の「手取り額」とは?売却価格から引かれる3つのもの
「3,000万円で売れた」=「3,000万円が手に入る」ではない
家やマンションを売るとき、多くの方は「うちは◯◯万円くらいで売れるかな」と、売却価格そのものに意識が向きます。もちろん大切なことですが、その金額がそっくりそのまま手元に入ってくるわけではありません。
不動産の売却では、売却価格から必ずいくつかの費用と税金が差し引かれます。最終的に手元に残るお金、これを手取り額(手残り)と呼びます。プロの世界では「ネットシート」と呼ばれる収支計算表をつくって、この手取り額をあらかじめ把握してから売却を進めます。
手取り額の基本の式は、とてもシンプルです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売却価格 | 買主と合意した、不動産の売買代金 |
| (−)売却の諸費用 | 仲介手数料・印紙税・登記費用など |
| (−)譲渡所得税・住民税 | 売却で利益(譲渡所得)が出た場合にかかる税金 |
| (−)住宅ローンの残債 | 売却時点で残っている住宅ローン |
| (=)手取り額 | 最終的にあなたの手元に残るお金 |
つまり「手取り額 = 売却価格 − 売却の諸費用 − 譲渡所得税・住民税 − 住宅ローン残債」です。このうち、計算がいちばん複雑で、見落とされがちなのが「譲渡所得税・住民税」。この記事では、その部分を重点的にひもといていきます。
売却価格から引かれる3つのもの
手取り額を減らす3つの要素を、もう少し具体的に見てみましょう。
ひとつ目は売却の諸費用です。代表的なのは不動産会社に支払う仲介手数料で、売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限の目安。ほかに売買契約書に貼る印紙税、住宅ローンが残っていれば抵当権を抹消する登記費用などがかかります。
ふたつ目が譲渡所得税・住民税。これは売却によって「利益」が出たときにだけかかる税金です。利益が出ていなければかかりません。逆に、購入時より高く売れた場合や、取得費が分からない場合には、思いのほか大きな金額になることがあります。
3つ目が住宅ローンの残債です。売却代金でローンを完済するのが一般的なので、残債が多ければそのぶん手取りは減ります。残債が売却価格を上回る「オーバーローン」の状態だと、不足分を自己資金で補う必要も出てきます。



「ご相談を受けていると、売却価格は1万円単位で気にされるのに、手取り額は『なんとなく』のままという方が本当に多いんです。住み替えの資金計画は手取り額が土台になりますから、ここはぜひ最初に押さえてほしいところです。」
この記事のテーマである譲渡所得税は、3つの中でもっとも分かりにくい部分です。でも、順を追えば決して難しくありません。次の章から、計算の中身を一緒に見ていきましょう。
譲渡所得税の計算は3ステップ|まず「譲渡所得」を正しく出す
譲渡所得税は3つのステップで計算する
「譲渡所得税」とは、不動産を売って利益が出たときに、その利益に対してかかる税金です。正確には所得税・住民税・復興特別所得税の総称ですが、この記事ではまとめて「譲渡所得税」と呼びます。計算は、次の3ステップで進みます。
| ステップ | 計算内容 |
|---|---|
| ①譲渡所得を出す | 譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用) |
| ②特別控除を引く | 課税譲渡所得 = 譲渡所得 − 特別控除額(3,000万円特別控除など) |
| ③税率をかける | 譲渡所得税 = 課税譲渡所得 × 税率(所有期間で変わる) |
ポイントは、①の「譲渡所得」がマイナスになれば、譲渡所得税はかからないということです。購入時より安く売った場合などがこれにあたります。利益(プラス)が出たときだけ、②③へ進んで税額を計算します。
このうち②の特別控除は次の章で、③の税率はその次の章でくわしく扱います。この章では、いちばん大事な①——「譲渡所得」を出すための”取得費”と”譲渡費用”を見ていきましょう。
「取得費」に入れられるもの
取得費とは、ざっくり言えば「その不動産を手に入れるためにかかったお金」です。具体的には次のようなものが含まれます。
- 土地・建物の購入代金、建築代金
- 購入時の仲介手数料、登記費用、登録免許税、不動産取得税
- 購入後に行った増改築・リフォームなどの設備費・改良費
ここで見落としてはいけないのが、建物は時間の経過で価値が下がるため、購入代金をそのまま取得費にはできないという点です。所有していた期間に応じた「減価償却費相当額」を差し引いた金額が、建物の取得費になります(土地は減価償却しません)。この計算は失敗しやすいので、後の章であらためて取り上げます。
そしてもうひとつ大切なのが、取得費が分からない場合の扱いです。購入時の契約書や領収書が見つからない、あるいは実際の取得費が売却価格の5%より少ないときは、「売却価格×5%」を取得費とみなすことができます。これを概算取得費といいます。一見便利ですが、実際の取得費より小さくなりやすく、譲渡所得が大きく出て税負担が増える原因になります。



「親から相続した家なので、いくらで買ったのか書類が一切残っていません。それでも売れるんでしょうか?」



「売ること自体はできます。ただ、取得費が分からないと『概算取得費5%』で計算することになり、税金が大きく変わってしまうことがあるんです。まずは古い契約書や通帳の記録を、あきらめずに探してみることをおすすめしています。」
「譲渡費用」に入れられるもの・入れられないもの
譲渡費用とは、「その不動産を売るために直接かかった費用」です。代表的なものを整理しました。
| 譲渡費用に入れられるもの | 譲渡費用に入れられないもの |
|---|---|
| 売却時の仲介手数料 | 建物の修繕費・リフォーム費(売却に直接関係しないもの) |
| 売買契約書の印紙税(売主負担分) | 固定資産税・都市計画税 |
| 土地を売るための建物の取り壊し費用 | 売却前から行っていた維持・管理の費用 |
| 測量費、借家人への立退料 など | 売却代金の取り立て費用 |
判断の基準は「売るために直接かかったお金かどうか」です。たとえば、見栄えをよくするための一般的な修繕費は譲渡費用にはなりませんが、土地を更地で売るための解体費用は譲渡費用に含められます。固定資産税のように、売る・売らないにかかわらず発生する費用は対象外、と覚えておくとよいでしょう。
ここがポイント(取得費・譲渡費用の整理)
- 譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)。これが計算の出発点
- 取得費には「建物の減価償却」を反映する。購入代金そのままはNG
- 取得費が分からないと「概算取得費5%」になり、税負担が増えやすい
- 譲渡費用は「売るために直接かかったお金」だけ。固定資産税や一般的な修繕費は入らない
譲渡所得税の税率|所有期間で税額が「約2倍」変わる
短期譲渡と長期譲渡|5年が分かれ目
譲渡所得(利益)に対してかかる税率は、その不動産をどれくらいの期間持っていたかで決まります。大きく「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」の2つに分かれます。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税+住民税+復興特別所得税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
同じ利益でも、税率が約2倍変わります。たとえば課税譲渡所得が500万円なら、短期では約198万円、長期では約101万円。その差は約97万円にもなります。
なお、この税率には復興特別所得税(所得税額の2.1%分)が含まれています。これは東日本大震災の復興財源として2037年まで続く上乗せ分で、上の税率にすでに織り込まれた数字です。
所有期間の判定は「売った年の1月1日」が基準
ここで多くの方が誤解しやすい、とても大事なポイントがあります。所有期間は「売った日」ではなく「売った年の1月1日時点」で5年を超えているかどうかで判定します。
たとえば2021年6月に購入した家を2026年8月に売る場合、カレンダー上は5年2か月ですが、判定の基準日である「2026年1月1日時点」ではまだ4年7か月。つまり短期譲渡(5年以下)扱いになり、高いほうの税率が適用されます。



「あと少しで5年だから、と思って急いで売ったら短期譲渡になってしまった、ということですね…。」



「そうなんです。実際に『あと数か月待てば長期譲渡だった』というケースは少なくありません。所有期間がちょうど境目にある方は、売り出しのタイミングを一度立ち止まって考える価値があります。」
マイホームを10年超所有しているなら「軽減税率」
さらに、売る不動産が自分の住んでいたマイホームで、所有期間が10年を超えている場合は、長期譲渡よりもさらに低い「軽減税率の特例」が使えます。
| 課税譲渡所得の部分 | 軽減税率 |
|---|---|
| 6,000万円以下の部分 | 14.21% |
| 6,000万円を超える部分 | 20.315% |
しかもこの軽減税率は、次の章で説明する「3,000万円特別控除」と併用できます。長く住んだマイホームを売る場合は、この2つの特例を組み合わせられるかどうかが、手取り額を大きく左右します。
ここがポイント(税率のまとめ)
- 税率は所有期間で決まる。短期(5年以下)39.63%/長期(5年超)20.315%
- 所有期間の判定は「売った年の1月1日時点」。カレンダーの5年とはズレる
- マイホームを10年超所有なら軽減税率(6,000万円以下14.21%)が使える
- 軽減税率は3,000万円特別控除と併用OK
マイホーム売却の3,000万円特別控除|多くの売却で税金がゼロになる特例
譲渡所得から最大3,000万円を控除できる
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」——長い名前ですが、内容はシンプルです。自分が住んでいたマイホームを売ったとき、譲渡所得から最大3,000万円を控除できるというものです。
前の章の3ステップでいう②にあたります。たとえば譲渡所得が2,500万円出たとしても、3,000万円を控除できれば課税譲渡所得はゼロ。結果として譲渡所得税もゼロになります。
日本の一般的なマイホームでは、売却益が3,000万円を超えるケースはそれほど多くありません。そのため、この特例を正しく使えば、多くのマイホーム売却で譲渡所得税はかからないのです。所有期間が5年以下の短期譲渡であっても、この控除は使えます。
3,000万円特別控除のおもな適用条件
ただし、どんな売却でも使えるわけではありません。おもな条件を整理しておきます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 居住用であること | 自分が現に住んでいる、または住まなくなった家屋であること |
| 期限 | 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること |
| 売る相手 | 親子・夫婦など特別な関係のある人への売却ではないこと |
| 重複制限 | 前年・前々年に同じ特例(または類似の特例)を受けていないこと |
特に注意したいのが「住まなくなってから3年」の期限です。転勤などで先に引っ越し、空き家のまま長く置いておくと、この期限を過ぎて特例が使えなくなることがあります。



「相続した実家にも、この3,000万円控除は使えるんですか?」



「相続した家の場合は、原則として『自分が住んでいたマイホーム』の控除はそのままは使えません。ただし、別に『相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除』という制度があり、耐震改修や取り壊しなどの条件を満たせば使えることがあります。条件が細かいので、必ず事前の確認が必要です。」
3,000万円特別控除は、譲渡所得税がゼロになる場合でも、確定申告をしてはじめて適用されます。「税金がかからないなら申告は不要」と考えて申告を忘れると、特例が受けられません。必ず売却した翌年の確定申告(2月16日〜3月15日ごろ)で手続きをしてください。
ここがポイント(3,000万円特別控除)
- 自分が住んでいたマイホームなら、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる
- この特例で、一般的なマイホーム売却の多くは譲渡所得税がゼロになる
- 「住まなくなってから3年」の期限に注意。空き家放置で使えなくなることも
- 控除を受けるには、税額がゼロでも確定申告が必要
【ケース別】不動産売却の手取り額シミュレーション4例
ここからは、これまで見てきた計算を実際の数字で追っていきます。金額はあくまでモデルケースで、仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」、取得費は減価償却を反映した概算値です。実際の税額は物件ごとに異なるため、目安としてご覧ください。
ケースA:マイホームのマンション(所有12年)— 3,000万円控除で税ゼロ
大阪市内の中古マンションを、12年前に購入し、4,500万円で売却するケースです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 4,500万円 |
| 取得費(減価償却を反映) | 約4,100万円 |
| 譲渡費用(仲介手数料・印紙税など) | 約156万円 |
| 譲渡所得 = 4,500 −(4,100+156) | 約244万円 |
| 3,000万円特別控除 | −244万円(譲渡所得が上限) |
| 課税譲渡所得 | 0円 |
| 譲渡所得税・住民税 | 0円 |
| 手取り額(ローン残債なしの場合) | 約4,344万円 |
譲渡所得が244万円出ましたが、3,000万円特別控除の枠内にすっぽり収まるため、課税譲渡所得はゼロ。譲渡所得税はかかりません。マイホームで売却益が3,000万円以内なら、税金はかからないことが多い——これが日本のマイホーム売却のいちばん多いパターンです。
ケースB:マイホームの戸建て(所有22年)— 軽減税率で課税
阪神間の人気エリアで、22年前に購入した戸建ての地価が上がり、7,000万円で売却するケースです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 7,000万円 |
| 取得費(土地+減価償却後の建物+諸費用) | 約3,270万円 |
| 譲渡費用 | 約240万円 |
| 譲渡所得 = 7,000 −(3,270+240) | 約3,490万円 |
| 3,000万円特別控除 | −3,000万円 |
| 課税譲渡所得 | 490万円 |
| 譲渡所得税・住民税(10年超軽減税率14.21%) | 約70万円 |
| 手取り額(ローン残債なしの場合) | 約6,690万円 |
譲渡所得が3,490万円と大きいため、3,000万円控除では引ききれず、490万円が課税対象として残ります。それでも所有10年超のマイホームなので、軽減税率14.21%が適用され、税額は約70万円に抑えられます。売却益が3,000万円を超えても、長く住んだマイホームなら税負担はかなり軽くなることが分かります。
ケースC:相続した実家(取得費不明)— 概算取得費5%で税が重くなる
親から相続した築古の戸建てを、3,000万円で売却するケース。購入時の契約書が見つからず、取得費が分かりません。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 3,000万円 |
| 概算取得費(売却価格×5%) | 150万円 |
| 譲渡費用 | 約110万円 |
| 譲渡所得 = 3,000 −(150+110) | 約2,740万円 |
| 空き家特例が使える場合 | 課税0円 → 税0円 → 手取り約2,890万円 |
| 空き家特例が使えない場合 | 課税2,740万円 → 税約557万円 → 手取り約2,333万円 |
取得費が分からないため、概算取得費は150万円(売却価格の5%)。そのぶん譲渡所得が2,740万円と大きく出ます。ここで「相続した空き家の3,000万円特別控除」が使えるかどうかで、手取り額が約557万円も変わります。取得費の証明と特例の条件確認が、いかに手取りを左右するかが分かるケースです。
ケースD:投資用ワンルーム(所有4年)— 短期譲渡で税率39.63%
投資用に4年前に購入したワンルームマンションを、2,400万円で売却するケースです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 2,400万円 |
| 取得費(減価償却後) | 約1,850万円 |
| 譲渡費用 | 約87万円 |
| 譲渡所得 = 2,400 −(1,850+87) | 約463万円 |
| 特別控除 | なし(マイホームではないため) |
| 譲渡所得税・住民税(短期譲渡39.63%) | 約184万円 |
| 手取り額(ローン残債1,400万円の場合) | 約729万円 |
投資用なので3,000万円特別控除は使えず、さらに所有4年は短期譲渡。税率39.63%で約184万円の税金がかかります。もしこれが所有5年超の長期譲渡だったら税額は約94万円。短期か長期かだけで、約90万円もの差が生まれます。



「4つのケースを並べると、『同じ売却でも、マイホームか投資用か、所有期間、取得費が分かるか』で手取り額がまったく違うことが見えてきます。だからこそ、一般的な早見表だけで判断せず、ご自身の条件で計算することが大切なんです。」
ここがポイント(4ケースの教訓)
- マイホームで売却益が3,000万円以内なら、税金はゼロになることが多い(ケースA)
- 売却益が大きくても、10年超マイホームなら軽減税率で負担は軽い(ケースB)
- 取得費不明だと概算取得費5%になり、税が一気に増える(ケースC)
- 投資用+短期譲渡は税率が約2倍。特例も使えない(ケースD)
「今の家、いくらで売れるんだろう?」——そんな疑問を抱えたまま、なんとなく先延ばしにしていませんか?
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手取り額シミュレーションでやりがちな3つの失敗
失敗1:取得費が分からないまま「概算取得費5%」で計算してしまう
ケースCで見たとおり、取得費が分からないと「売却価格×5%」の概算取得費しか使えず、譲渡所得が大きく出てしまいます。
でも実は、「契約書が見つからない」とあきらめている方の中にも、探せば取得費を証明できるケースは少なくありません。住宅ローンを借りたときの金銭消費貸借契約書、購入当時の通帳の振込記録、登記簿に記載された情報、購入時のパンフレットや重要事項説明書——こうした書類が、取得費の根拠になることがあります。
私が売却のご相談を受けるときも、まずは「古い書類を一度すべて探してみましょう」とお伝えしています。概算取得費5%か、実額の取得費か。この違いだけで税額が数百万円変わることもあるからです。
失敗2:建物の減価償却を忘れて、取得費を高く見積もってしまう
逆に、取得費を「高く見すぎる」失敗もあります。それが建物の減価償却を忘れるケースです。
建物は時間とともに価値が下がるため、購入代金をそのまま取得費にはできません。所有期間に応じた「減価償却費相当額」を差し引く必要があります。自分で住んでいた家(非事業用)の場合、計算式は次のとおりです。
たとえば、建物部分を2,000万円で取得した木造マイホームを20年所有した場合(木造・非事業用の償却率0.031で計算)、次のようになります。
| 計算項目 | 金額 |
|---|---|
| 減価償却費相当額 = 2,000万 × 0.9 × 0.031 × 20年 | 約1,116万円 |
| 建物の取得費 = 2,000万 − 1,116万 | 約884万円 |
もしこの減価償却を忘れて建物の取得費を2,000万円のままにすると、譲渡所得を1,116万円も少なく見積もることになります。長期譲渡なら税額にして約226万円分のズレ。これは「税金が思ったより高かった」という後悔に直結します。
失敗3:翌年の住民税・国民健康保険料の上昇を見落とす
3つ目の落とし穴は、税金そのものではなくその波及効果です。
譲渡所得が出ると、その分が翌年の住民税の計算に反映されます。また、国民健康保険に加入している方(自営業の方や退職後の方など)は、譲渡所得によって翌年の国民健康保険料が上がることがあります。「売却した年は終わったから一安心」と思っていたら、翌年の保険料の通知に驚いた——というケースもあるのです。
ただし、3,000万円特別控除によって譲渡所得がゼロになる場合は、住民税や国民健康保険料の計算上もその譲渡所得は「なかったもの」として扱われます。マイホーム売却で控除を使えるなら、この波及効果も心配しすぎる必要はありません。
注意したい3つの失敗
- 取得費が分からないとあきらめる前に、古い書類を徹底的に探す
- 建物の減価償却を忘れず、取得費は減価償却後の金額で計算する
- 翌年の住民税・国民健康保険料への影響も頭に入れておく



「税金の計算って、ひとつ間違えるだけで何百万円も変わってしまうんですね…。」



「そうなんです。だからこそ、売却の早い段階で一度ざっくり計算しておくことをおすすめします。早く気づけば、書類を探したり、売る時期を調整したりと、打てる手があるんです。」
【岡本の本音】シミュレーションは「売り出す前」にやってこそ意味がある
「事後の確認」ではなく「事前の設計図」として使う
インターネットには、売却価格などを入力すると手取り額を自動計算してくれるシミュレーターがたくさんあります。便利なツールですが、多くは「売れた金額に対して、税金や費用がいくら引かれるか」をあとから確認する使い方になりがちです。
私がお客様にお伝えしているのは、その逆の発想です。シミュレーションは、売り出す前に「設計図」として使うもの。たとえば「住み替え先の頭金として2,500万円を手元に残したい」という目標があるなら、そこから逆算して「では、いくらで売り出せばいいのか」「いつ売るのが有利か」を考える。これがプロの手取り額シミュレーションの使い方です。
売る前なら、打てる手がたくさんあります。取得費の書類を探す時間も、所有期間が5年・10年の境目なら売却時期を調整する余地も、特例の条件を整える準備期間もある。売れたあとに気づいても、できることはほとんど残っていません。
住み替えなら「3,000万円控除を使うべきか」まで含めて考える
もうひとつ、住み替え(売って買う)を考えている方に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは、マイホーム売却の3,000万円特別控除と、新居の住宅ローン控除は、原則として併用できないというルールです。
旧居の売却で3,000万円特別控除を使うと、新居で住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)が受けられなくなります(居住した年とその前後の年が対象)。
ここで判断が分かれます。旧居の売却益が小さく譲渡所得税がそもそも少額なら、3,000万円特別控除をあえて使わず納税し、新居で十数年にわたる住宅ローン控除を受けたほうが、トータルの手残りは大きくなることがあります。逆に、旧居の売却益が大きい、あるいは新居を現金で買う場合は、3,000万円特別控除を使ったほうが有利です。



「『3,000万円も控除できるなら使わない手はない』と思いがちですが、住み替えの場合は必ずしもそうではありません。旧居の売却益と、新居のローン控除のメリット、両方を並べて比べる必要があるんです。ここはぜひ、売り出す前に整理しておきたいところです。」
この判断は、不動産の売却と購入、そして税金がからむため、ひとりで結論を出すのは簡単ではありません。正確な税額の判断は税務署や税理士にご確認いただく前提で、私のような不動産エージェントは、売却と購入の両方の段取りを一本の線で設計するお手伝いができます。
紹介ルートで「税務に強い・段取りの丁寧な担当者」とつながる
不動産の売却は、担当者によって進め方の丁寧さが大きく変わる世界です。査定額の根拠をきちんと示してくれるか、税金や手取り額の話まで踏み込んでくれるか——ここに差が出ます。
私は、紹介ルートを通じて、税務や売却の段取りに強い担当者とお客様をおつなぎすることができます。一般的な問い合わせ窓口から入るよりも、こうした紹介ルートを使ったほうが、安心して任せられる担当者と出会いやすい、というのが私の実感です。



「『自分の家だと、結局いくら残るんだろう…』——まずは一度、落ち着いてシミュレーションしてみたくなりました。」
まとめ|手取り額は「売り出す前」に計算しておく
最後に、この記事の要点を整理します。
- 見るべきは「売却価格」より「手取り額」 — 手取り額 = 売却価格 − 売却の諸費用 − 譲渡所得税・住民税 − 住宅ローン残債。売却価格がそのまま残るわけではありません。
- 譲渡所得税は3ステップで計算 — ①譲渡所得を出す(売却価格−取得費−譲渡費用)→②特別控除を引く→③税率をかける。利益が出たときだけ課税されます。
- 税率は所有期間で約2倍変わる — 短期(5年以下)39.63%/長期(5年超)20.315%。判定は「売った年の1月1日時点」。10年超マイホームなら軽減税率も。
- 3,000万円特別控除がマイホームの味方 — 自分が住んでいたマイホームなら譲渡所得から最大3,000万円控除でき、多くの売却で税金はゼロに。ただし確定申告が必要です。
- 手取り額は条件で大きく変わる — マイホームか投資用か、所有期間、取得費が分かるか。4つのケースで手取り額は大きく違いました。自分の条件で計算することが大切です。
- シミュレーションは「売り出す前」に — 取得費の書類探し、売却時期の調整、特例の選択。早く計算するほど、手取りを増やす打ち手が残っています。



「『売れてから考えればいい』と思っていましたが、売る前にこそ計算しておくべきなんですね。さっそく自分の家でやってみます。」



「その一歩が、数十万〜数百万円の差を防ぐことにつながります。譲渡所得税の計算は複雑ですし、住み替えなら控除の選択も悩ましいところです。『自分の場合はどうなるんだろう』と迷ったときは、どうか一人で抱え込まずにご相談くださいね。一緒に、あなたにとって納得のいく売却の形を見つけていきましょう。」
不動産の売却は、情報を持っているかどうかで手取り額が変わる取引です。売却価格の大きさだけに気を取られず、「手取り額」という視点で、落ち着いて準備を進めていきましょう。
不動産の売却は、人生で何度も経験するものではありません。だからこそ、信頼できるプロの意見が大切です。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の物件や不動産取引、税務上の取り扱いを推奨・保証するものではありません。記載の制度・税率・計算例は2026年5月時点のものであり、税制・法令は改正されることがあります。譲渡所得税の正確な計算や特例の適用可否、確定申告については、必ずご自身の物件状況をふまえ、国税庁の情報や所轄の税務署・税理士にご確認ください。
【参考情報】
税制・譲渡所得税(国税庁)
| 情報源 | 内容 | 参照先 |
|---|---|---|
| 国税庁 タックスアンサー No.3208 | 長期譲渡所得の税額の計算 | 国税庁 No.3208 |
| 国税庁 タックスアンサー No.3211 | 短期譲渡所得の税額の計算 | 国税庁 No.3211 |
| 国税庁 タックスアンサー No.3252 | 取得費となるもの | 国税庁 No.3252 |
| 国税庁 タックスアンサー No.3261 | 建物の取得費の計算(減価償却) | 国税庁 No.3261 |
| 国税庁 タックスアンサー No.3255 | 譲渡費用となるもの | 国税庁 No.3255 |
特例・控除(国税庁)
| 情報源 | 内容 | 参照先 |
|---|---|---|
| 国税庁 タックスアンサー No.3302 | マイホームを売ったときの特例(3,000万円特別控除) | 国税庁 No.3302 |
| 国税庁 タックスアンサー No.3305 | マイホームを売ったときの軽減税率の特例 | 国税庁 No.3305 |
制度・市場データ
| 情報源 | 内容 | 参照先 |
|---|---|---|
| 国土交通省 | 宅地建物取引業法(仲介手数料の根拠法令) | 国土交通省 宅地建物取引業法 |
| 国土交通省 | 不動産価格指数・土地白書など | 国土交通省 不動産・建設経済 |
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の物件や不動産取引を推奨するものではありません。記載情報は執筆時点のものです。不動産の売却は、ご自身の物件状況・資金計画・最新の税制をふまえ、税務署・税理士・宅地建物取引士などの専門家にご確認のうえ進めてください。










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