
駅の近くで戸建てを探すと、3階建てばかり出てきます。2階建てにこだわった方がいいのでしょうか?
駅に近い戸建てを探し始めると、3階建ての多さに戸惑うものです。けれども、良し悪しを決める前に、なぜ多いのかと、2階建てに絞ると何が変わるのかを知っておくと、迷いはほどけてきます。そこで私は、階数より先に、駅近がよい理由の強さを確かめる順番をおすすめしています。
- 駅近の戸建てに3階建てが多い理由
- 2階建てに絞ると変わること
- 駅近がよい理由の強さで変わる、決める順番
- 階段・駐車・将来の暮らしで確かめるところ
駅近の戸建てに3階建てが多いのはなぜ?



階数の話の前に、まず土地の広さから見ていきましょう。
立地のよさと土地の狭さは、セットで考えるものです。私はその点をお伝えしたうえで、どうして駅近がよいのかを丁寧にお聞きしています。
では、なぜ土地が狭いと上へ重ねることになるのでしょうか。建物の大きさには、土地に対する上限があるからです。大阪府の案内にあるとおり、建ぺい率は敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た面積)の割合を、容積率は敷地面積に対する延べ面積の割合を制限します。
ここでいう延べ面積は、各階の床面積を合計した広さです(公的な案内)。ですから、土地が狭くてひとつの階を広く取りにくいときは、階を重ねて床の広さを確保する形になります。
たとえば、子ども部屋を分けたいご家族が、駅から歩ける狭めの土地で探す場合を考えてみましょう。そのときは、ほしい部屋がどの階にどう収まるかを図面で確かめると、3階建てを候補に入れるかどうかを考えやすくなります。
ここがポイント
- 駅近は、立地のよさと引き換えに土地が狭くなりやすい
- 建ぺい率と容積率が、建物の大きさの上限に関わる
- 3階建ての多さは、狭い土地で床の広さを確保する工夫と見る
2階建てにこだわると、選択肢はどう変わる?



2階建てに絞ると、どんなことが変わるのでしょうか?
上に重ねない分、同じ床の広さを取るなら、ひとつの階の床面積は増えます。そのため、前の章で見た建築面積が建ぺい率の上限に収まるかを、土地ごとに確かめることになります。収まらない場合は、より広い土地を探すか、床の広さを見直す形になります。
そのうえで知っておきたいのは、今の条件で候補がどのくらいあるかと、駅から何分離れると2階建てが出てくるかです。ただし、これは駅や予算、探す時期で変わるので、ひとつの数字では言えません。
そこで私は、まずご希望をお聞きしてから、候補の話をしています。諦めていただくためではなく、判断の材料にしていただくためです。伝えるときは、数字を断定せず、次の形でお話しします。
「現実として、今はこういう状況です。でも、エリアを広げたらこうなります」
今の状況と、エリアを広げた場合を並べて見ると、2階建てを選ぶために何を動かすことになるのかが分かります。動かせる条件は、主に次の3つです。
| 動かす条件 | 知っておきたいこと | ご家族で決めておきたいこと |
|---|---|---|
| 駅からの距離(エリア) | エリアを広げると、2階建ての候補がどう変わるか | 毎日歩く人にとって、何分までなら暮らしが回るか |
| 予算 | 今の予算で、候補がどのくらいあるか | 毎月の負担が、これからの暮らしに無理のない範囲か |
| 部屋の広さ | 広さを見直すと、土地の上限に収まるか | 今の家族の人数だけでなく、これからの使い方でも足りるか |
どれを動かすかは、車を持つか、家族に階段を負担に感じる人がいるか、いつまで住むつもりかで分かれます。同じ駅からの距離の物件でも、答えが同じとは限りません。
ここがポイント
- 2階建てにこだわるなら、今の条件で候補がどのくらいあるかを先に知る
- 諦めるかどうかの前に、エリアを広げたときの変化と並べて見る
- 駅からの距離・予算・部屋の広さのうち、歩み寄れるものを決めておく
プロとしての判断|駅近がよい理由の強さで、決める順番を変える



同じ駅近でも、望む理由はご家庭ごとに違います。どんな理由か、一度考えてみませんか。
私がお聞きしているのは、次の流れです。
- どうして駅近がよいのかを、丁寧に言葉にする
- 理由が強いときは、「価格・立地・間取り」のうち立地が確定するので、次に価格と間取り(広さ)のどちらが大事かを考える
- 理由がそれほど強くないときは、どんな暮らしなら負担がないかを、将来の計画や今の考えをもとに整理する
何が強い理由になるかはご家庭によって違いますが、たとえば次のようなものです。当てはまるものが多いほど、立地を先に決めやすいと私は考えています。
- 家族の誰かが、毎日の通勤や通学で駅まで歩く
- 車を使う場面が少なく、駅に近いことで暮らしが回る
- 駅から離れると何が困るかを、具体的に言える
- 将来手放すときも、次に買う人から見た駅の近さを大事にしたい
立地を先に決めた場合は、3階建ても2階建ても候補に置いたまま、先ほどの価格と間取り(広さ)の優先順位に照らして比べる形になります。
一方で、理由がそれほど強くない場合は、駅から少し離れて2階建てを探す道もあります。そのときは、階段や車の負担をどこまで受け入れられるかを、先にご家族で話しておきましょう。
また、資産価値を理由に駅近を選ぶ場合もあります。そのときは、駅の近さだけで決めず、次に買う人から見た階段や車の置き場の使いやすさも見ておきたいと私は考えています。
階数は、理由の強さが分かってから決めても遅くありません。
反対に、次の進め方は、あとで迷いが戻りやすいと考えています。
- 「駅近だから」だけで、理由を言葉にしないまま階数を決める
- 今の家族の人数だけで、部屋数と階数を決める
- 車の置き場を、物件が決まってから考える
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階段・駐車・将来の暮らしでは、何を確かめる?



階段や車のことは、家を見るときにどこを確かめればいいですか?
階段は、毎日の負担と逃げ道の両方で見る
まず階段です。高齢の方に聞いた消費者庁の調査では、けが等の経験をした場所は「階段」が最も多く、その中では「段差で足を踏み外した」が最も多いという結果でした。
そこで、年を重ねたときのことも考えるなら、内見では手すりの有無と段差を見ておきたいところです。消費者庁の高齢者の転倒事故についての呼びかけでも、階段、玄関などの段差のあるところに手すりや滑り止めを設置することを挙げています。
また、階段は逃げ道でもあります。消防庁のQ&Aは、階段室を火災による煙の集まりやすい場所とし、2階などで就寝している方等にとっては、ほとんどの場合唯一の避難経路になると説明しています。ですから、寝室を何階に置くかは、上り下りの楽さだけで決めないようにしたいと私は考えています。
火災警報器の場所も、階段に関わります。大阪市の案内によると、階段の警報器は寝室のある階を基本に設置し、3階建てには追加の決まりもあります。そのため、中古の3階建てを見るときは、階段の警報器の場所も見ておきましょう。
駐車は、敷地に置くか近くで借りるかを先に決める
次に車です。車を持つなら、敷地に置くのか、近くの駐車場を借りるのかを先に決めておくと、探す物件の幅が変わります。
どちらの場合でも、保管場所には決まりがあります。大阪府警の案内によると、道路から支障なく出入りでき、車の全体が収まることなどが条件です。近くで借りる場合は、距離の条件もあります。
そのため、図面で駐車スペースがあるように見えても、車の全体が収まるか、前の道路から出し入れしやすいかは、今の車の寸法で確かめておきたいところです。
将来の暮らしは、階段を使わなくなったときから考える
最後に、将来の暮らしです。国土交通省の発表は、高齢期を迎える前の可能な限り早い段階で、高齢期の住まいや住まい方を選択することが重要だとしています。その発表には、住まいの改修で配慮する項目として、トイレ・浴室の利用しやすさ、日常生活空間の合理化、主要動線上のバリアフリーなどが並んでいます。
たとえば、子どもが独立したあとに夫婦で暮らす場合を考えてみましょう。上の階へあまり上がらなくなったときに、寝る場所とトイレ、お風呂が近くにそろうかを内見の段階で思い描いておくと、買ったあとの暮らしを具体的に比べられます。
ここがポイント
- 階段は、手すり・段差・寝室の階をまとめて見る
- 車の置き場は、今の車の寸法と前の道路で確かめる
- 年を重ねたあとの寝る場所を、内見のときに描いておく
まとめ



階数で迷ったときこそ、理由に戻ってみましょう。
- 階数の多さの背景には、駅の近くの土地の条件がある
- 階数の絞り込みは、土地の上限と動かせる条件を見てから決める
- 階段と車の置き場、年を重ねたあとの寝る場所は、内見で具体的に見る
まず、駅近がよい理由をご家族で一言ずつ書き出してみてください。そのうえで、理由の強さに合わせて、価格と広さ、または暮らしの負担のどちらから比べるかを決めましょう。
「うちの場合はどうだろう?」と思ったら、LINE で私に聞いてみてください。友だち追加のあとに「岡本に直接相談する」を選んで、気になっていることを送っていただければ、私が直接お返事します。
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※本記事は執筆時点の公開情報をもとにした一般的な解説です。制度や金額は変わることがあるので、最新の内容は各確認先でご確認ください。
【参考情報】
| 機関名 | 内容 |
|---|---|
| 大阪市 | 住宅用火災警報器 |
| www.pref.osaka.lg.jp | 建築形態規制とは |
| www.city.hiroshima.lg.jp | www.city.hiroshima.lg.jpの公式ページ |
| 消費者庁 | COLUMN 住環境における高齢者の事故について |
| 消費者庁 | 消費者庁の公式ページ |
| www.fdma.go.jp | 住宅用火災警報器Q&A |
| www.police.pref.osaka.lg.jp | www.police.pref.osaka.lg.jpの公式ページ |
| 国土交通省 | 高齢期に備え早めに住まいを改修しましょう! |










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