※本記事は2026年4月時点の税制に基づいています。税制は毎年変更される可能性があります。実際の税額計算は必ず税理士にご相談ください。

「親が亡くなって実家を相続したけれど、この家をどうしたらいいのだろう」



「手続きが複雑そうで、何から始めればいいかわからない…」



「税金の特例があるって聞いたけれど、うちのケースに使えるの?」
そんな思いで検索されている方も多いのではないでしょうか。
相続した不動産の扱いは、人生で何度も経験するものではありません。手続きの流れも、税金の仕組みも、初めて向き合う方がほとんどです。しかも悲しみの中で冷静に判断を迫られるわけですから、精神的な負担も大きいはずです。
私自身、2歳の娘と0歳の息子を育てる2児の父として、「いつか自分にも訪れるかもしれない」と感じながら、日々お客様の相続不動産のご相談に向き合っています。大阪・阪神間を中心に不動産エージェントとして活動する中で、相続不動産の売却には「知っているか知らないか」で手取り額が数百万円変わるポイントがいくつもあることを実感してきました。
この記事では、相続した不動産の売却について、手続きの全体像から税制特例の活用法、大阪エリアの相場感、そして失敗しないための注意点まで、できるだけわかりやすくお伝えします。相続不動産特有の「3年以内」という時間的な判断基準や、知っているだけで数百万円の差が生まれる税制特例についても、具体的な数字を交えて解説します。
売却を急ぐ必要はありません。まずは全体像を把握して、ご自身のペースで次の一歩を考えていただければ幸いです。
- 相続した不動産を売却すべきか判断する3つの基準
- 遺産分割協議から確定申告までの売却手続き全7ステップ
- 譲渡所得税の計算方法と「取得費」の重要性
- 3,000万円特別控除・空き家特例・取得費加算の活用法
- 大阪エリア別の相場感と失敗しないための5つの注意点


この記事を書いた人:🏠岡本岳大 TERASSパートナー/子育てパパ×不動産エージェント
「大切な不動産を、納得の価格で。」
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相続した不動産、売却すべき?判断の3つの基準
相続した不動産を「売るべきか、持ち続けるべきか」。これは多くの方が最初に悩むポイントです。
正解は一つではありません。ご家族の状況、不動産の立地や状態、そして将来の計画によって最適解は変わります。ここでは、判断の軸となる3つの基準をご紹介します。
基準1: 維持費・固定資産税の年間コスト



「相続した実家、住む予定はないけど持っているだけでお金がかかるの?」



「はい。固定資産税・都市計画税は毎年発生しますし、火災保険料や管理費用なども積み重なります。戸建てで年間20〜50万円、マンションで40〜80万円程度が一般的ですよ」
相続した不動産を保有し続けるには、当然ながらコストがかかります。固定資産税・都市計画税は毎年発生しますし、建物がある場合は火災保険料、定期的な換気や清掃のための交通費、草刈りや修繕の費用なども積み重なります。マンションであれば管理費・修繕積立金も毎月の負担です。
目安として、戸建ての場合は年間20万円から50万円、マンションの場合は年間40万円から80万円程度の維持費がかかることが一般的です。
この維持費を負担してでも保有する意味があるか。たとえば将来ご自身が住む可能性がある、賃貸に出して収益を得られる見込みがある、といった理由があれば保有も十分な選択肢です。一方で、使う予定がなく維持費だけが出ていくのであれば、売却を検討する合理性は高いといえます。
基準2: 相続税の納税資金が必要か
相続税の申告・納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。
相続財産の多くが不動産に集中している場合、現金が足りず、不動産を売却して納税資金を確保しなければならないケースがあります。この場合は売却のタイムリミットが明確になりますので、早めに不動産会社に相談されることをおすすめします。
ただし、延納や物納といった制度もありますので、税理士と相談のうえ、最善の方法を選んでください。
基準3: 空き家リスク(特定空家指定・倒壊・不法侵入)
相続した家が空き家のまま放置されると、さまざまなリスクが生じます。
2023年の空家等対策特別措置法の改正により、管理が不十分な空き家は「管理不全空家」に指定される可能性が出てきました。さらに状態が悪化すれば「特定空家」に指定され、固定資産税の住宅用地特例が解除されて税額が最大6倍になることもあります。
それだけではありません。建物の老朽化による倒壊リスク、不法侵入、放火、害虫の発生など、近隣にもご迷惑をかける可能性があります。遠方にお住まいで管理が難しい場合は、売却だけでなく、賃貸に出す、リフォームして活用する、管理会社に委託するなど、複数の選択肢を比較検討されることをおすすめします。
「売却ありき」ではなく、ご自身にとって最も負担が少なく、後悔のない選択は何かを考えることが大切です。
ここがポイント
- 戸建て年間20〜50万円、マンション年間40〜80万円の維持費を覚悟しておく
- 相続税の納付期限は10ヶ月以内。納税資金が足りない場合は早めに売却検討を
- 空き家放置は固定資産税6倍のリスク。管理不全空家・特定空家の指定に注意
- 売却以外の選択肢(賃貸・リフォーム・管理委託)も含めて比較検討する
相続不動産の売却手続き — 全体の流れ7ステップ



「何から始めればいいかわからない。手続きの全体像を教えてほしい」



「相続不動産の売却は通常の売却とは異なる手続きが加わります。全体を7ステップで整理しましたので、まずは大まかなイメージをつかんでくださいね」
「何から始めればいいかわからない」という声をよくいただきます。相続不動産の売却は、通常の不動産売却とは異なる手続きが加わります。全体の流れを7つのステップで整理しましたので、まずは大まかなイメージをつかんでください。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| Step 1 | 遺産分割協議 | 1〜3ヶ月 |
| Step 2 | 相続登記(名義変更) | 1〜2ヶ月 |
| Step 3 | 不動産会社の選定・査定依頼 | 1〜2週間 |
| Step 4 | 媒介契約の締結 | 即日〜1週間 |
| Step 5 | 販売活動・内見対応 | 3〜6ヶ月 |
| Step 6 | 売買契約・引渡し | 1〜2ヶ月 |
| Step 7 | 確定申告 | 翌年2/16〜3/15 |
Step 1: 遺産分割協議(相続人全員の合意)
不動産を売却するには、まず「誰がその不動産を相続するか」を決める必要があります。遺言書がある場合はその内容に従いますが、遺言書がない場合は相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。
相続人が多い場合や遠方に住んでいる場合は、この段階で時間がかかることがあります。意見の相違がある場合は、家庭裁判所での調停や弁護士への相談が必要になるケースもあります。
ポイントは、「売却して現金を分ける(換価分割)」のか、「特定の相続人が不動産を相続し、他の相続人に代償金を支払う(代償分割)」のか、方針を早めに決めておくことです。
Step 2: 相続登記(名義変更) — 2024年4月から義務化
相続登記とは、被相続人(亡くなった方)の名義になっている不動産を、相続人の名義に変更する手続きです。
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続の開始および所有権の取得を知った日から3年以内に登記を行わないと、正当な理由がない場合10万円以下の過料が科される可能性があります。過去の相続で未登記のままの不動産にも適用されますので、心当たりのある方はお早めにご対応ください。
相続登記に必要な書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本・住民票、遺産分割協議書、固定資産税評価証明書などです。司法書士に依頼する場合、費用の目安は5万円から15万円程度です。
Step 3: 不動産会社の選定・査定依頼
相続登記が完了したら(または並行して)、不動産会社に査定を依頼します。
査定には、データをもとに価格を算出する「机上査定」と、実際に物件を確認して価格を算出する「訪問査定」があります。まずは複数社に机上査定を依頼し、その後2〜3社に訪問査定を依頼するのが一般的な流れです。
このとき注意していただきたいのは、「査定額が高い=良い不動産会社」とは限らないということです。高すぎる査定額で売り出しても、結果的に売れずに値下げを繰り返すことになりかねません。査定額の根拠をしっかり説明してくれる会社を選ぶことが重要です。
Step 4: 媒介契約の締結
不動産会社を決めたら、媒介契約を締結します。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。
相続不動産の場合、売主が遠方に住んでいて頻繁に対応できないケースも多いため、1社に窓口を任せられる専任媒介または専属専任媒介が選ばれることが多い傾向にあります。ただし、どの契約形態が最適かはケースバイケースですので、不動産会社の担当者とよく相談してください。
Step 5: 販売活動・内見対応
売り出し価格を決めて、販売活動がスタートします。不動産ポータルサイトへの掲載、チラシの配布、オープンハウスの開催などを通じて購入希望者を募ります。
相続不動産で空き家の場合、室内の片付けや清掃が必要になることがあります。荷物が残ったままでは内見の印象が悪くなりますので、可能な範囲で整理しておくことをおすすめします。遺品整理業者を利用する方法もあります。
販売期間は、立地や価格設定によりますが、一般的には3ヶ月から6ヶ月程度が目安です。相続不動産の場合、築年数が古い物件や立地条件が良くない物件は、通常よりも販売期間が長引く傾向があります。焦らず、しかし税制特例の期限は意識しながら進めていくことが大切です。
Step 6: 売買契約・引渡し
購入希望者が見つかったら、売買契約を締結します。手付金を受領し、その後残代金の決済・引渡しを行います。決済日には、司法書士の立ち会いのもとで所有権移転登記に必要な書類に署名・捺印し、鍵の引渡しをもって売却が完了します。
相続人が複数いて共有名義の場合は、全員の署名・捺印と印鑑証明書が必要です。遠方の相続人には委任状で対応できる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
Step 7: 確定申告(翌年2/16〜3/15)
不動産を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合、翌年の確定申告で申告・納税を行います。
たとえ税制特例を適用して譲渡所得税がゼロになる場合でも、特例の適用を受けるためには確定申告が必要です。申告を忘れると特例が適用できなくなる可能性がありますので、必ず行ってください。
確定申告に必要な書類は、売買契約書のコピー、仲介手数料の領収書、登記事項証明書、被相続人の取得時の売買契約書(あれば)、特例申請に必要な書類などです。税理士に依頼する場合は、売却が完了した時点で早めに相談されることをおすすめします。
ここがポイント
- 遺産分割協議は「換価分割」か「代償分割」か、方針を早めに決める
- 相続登記は2024年4月から義務化。3年以内に未登記だと過料の可能性
- 査定額が高い会社が良い会社とは限らない。根拠の説明力で判断を
- 特例適用にも確定申告が必須。申告忘れで特例が使えなくなるリスクに注意
売却にかかる税金と費用の全体像



「結局、売却したら手元にいくら残るの?」



「一番気になるポイントですよね。売却代金から差し引かれる費用と税金を全体像で把握しておきましょう」
相続不動産の売却では、「手元にいくら残るか」が最も気になるポイントだと思います。売却代金からどのような費用や税金が差し引かれるのか、全体像を把握しておきましょう。
譲渡所得税の計算方法
不動産を売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して税金がかかります。計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却価額 ー 取得費 ー 譲渡費用
この譲渡所得に対して、所有期間に応じた税率がかかります。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下): 39.63%(所得税30.63% + 住民税9%)
- 長期譲渡所得(所有期間5年超): 20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)
相続不動産の場合、所有期間は被相続人が取得した日から計算します。つまり、親が30年前に購入した家を相続して売却する場合は、長期譲渡所得(20.315%)が適用されるケースがほとんどです。
※税率は2026年4月時点の数値です。あくまで参考値としてご覧ください。
相続不動産の「取得費」はどう決まる?
ここが相続不動産特有のポイントです。取得費は、被相続人がその不動産を購入した際の価格を引き継ぎます。
たとえば、親が40年前に2,000万円で購入した土地を相続し、4,000万円で売却した場合、取得費は2,000万円(建物の場合は減価償却後の金額)です。
問題は、購入当時の売買契約書が見つからないケースです。この場合、取得費は売却価額の5%で計算されてしまいます。4,000万円で売却した場合、取得費はわずか200万円とみなされ、譲渡所得が大きく膨らんでしまうのです。
古い契約書や領収書が見つからないか、実家の書類を丁寧に探してみてください。不動産会社に購入を仲介してもらった記録、銀行の住宅ローン関連書類、登記簿の記載なども手がかりになることがあります。
この「取得費の証明」は、相続不動産の売却における最も重要なポイントの一つです。数十年前の書類を探すのは大変ですが、契約書が見つかるかどうかで譲渡所得税が100万円以上変わるケースもあります。諦めずに探してみてください。
仲介手数料の計算
仲介手数料は法律で上限が定められています。
売買代金 x 3% + 6万円 + 消費税
売却価額が3,000万円の場合、仲介手数料は96万円 + 消費税 = 105.6万円です。なお、2024年の宅建業法改正により、800万円以下の低廉な空家等の売買については仲介手数料の上限が33万円(税込)に引き上げられています。相続不動産で低価格帯の物件をお持ちの方は、この点も確認しておくとよいでしょう。
その他の費用
仲介手数料以外にもさまざまな費用が発生します。以下の表は、売却価額別の費用目安です。
| 費用項目 | 2,000万円の場合 | 3,000万円の場合 | 5,000万円の場合 |
|---|---|---|---|
| 仲介手数料(税込) | 72.6万円 | 105.6万円 | 171.6万円 |
| 登記費用 | 5〜10万円 | 5〜10万円 | 5〜10万円 |
| 測量費用(土地) | 30〜50万円 | 30〜50万円 | 30〜50万円 |
| 印紙税 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
| 建物解体費(必要な場合) | 100〜200万円 | 100〜200万円 | 100〜200万円 |
ここがポイント
- 相続不動産の所有期間は被相続人の取得日から計算。多くは長期譲渡(20.315%)に該当
- 購入当時の売買契約書が最重要書類。見つからないと取得費が売却額の5%に
- 仲介手数料は「売買代金×3%+6万円+消費税」が上限
- 測量費・解体費など、物件の状況により追加費用が発生することがある
「今の家、いくらで売れるんだろう?」——そんな疑問を抱えたまま、なんとなく先延ばしにしていませんか?
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【最重要】使える税制特例と控除 — 手取り額が数百万円変わる



「税金の特例があるって聞いたけど、種類が多くてよくわからない…」



「ここが本記事で最も大切なセクションです。特例を知っているか知らないかで、手取り額が数百万円変わります。丁寧に解説しますね」
相続不動産の売却において、税制特例を知っているか知らないかは、文字通り数百万円の差を生みます。
先日MuchiNaviでご相談いただいた50代のお客様のケースでは、相続した実家の売却にあたって空き家特例の存在をご存じなく、そのまま売却手続きを進めようとされていました。結果的に特例を適用することで、譲渡所得税が約400万円軽減されたのです。
特例を知らずに売却した結果、数百万円の税金を多く払ってしまうケースは珍しくありません。ここは本記事で最も重要なセクションですので、ぜひ丁寧にお読みください。
3,000万円特別控除(居住用財産 — 被相続人が住んでいた場合)
被相続人が住んでいた不動産を相続人が売却する場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
主な要件は以下のとおりです。
- 被相続人が居住の用に供していた家屋であること
- 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 売却代金が1億円以下であること
- 相続人が居住していないこと(居住していた場合は別の特例が使える可能性があります)
3,000万円の控除が適用されれば、たとえば譲渡所得が2,500万円の場合、税額はゼロになります。非常に大きな控除ですので、適用要件を満たすかどうかは必ず確認してください。
空き家特例の3,000万円控除
上記の居住用財産の特例とは別に、「被相続人の居住用家屋等に係る譲渡所得の特別控除」(通称:空き家特例)があります。
こちらは、被相続人が一人暮らしだった家屋を相続し、耐震リフォームまたは解体して更地にしてから売却する場合に適用できます。令和9年(2027年)12月31日までの売却が対象です。
注意が必要なのは、2024年1月1日以降の譲渡から、相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円に引き下げられたことです。相続人が1人または2人であれば3,000万円控除のままです。
取得費加算の特例
相続税を支払った方には、もう一つ重要な特例があります。相続した不動産を、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却した場合、支払った相続税のうち、その不動産に対応する部分を取得費に加算できるという特例です。
たとえば、相続税を2,000万円支払い、相続財産に占める不動産の割合が40%であれば、800万円を取得費に加算できます。これにより譲渡所得が圧縮され、税負担が軽減されるのです。
ただし、重要な注意点があります。この「取得費加算の特例」と「3,000万円特別控除(空き家特例含む)」は併用できません。どちらか有利な方を選択する必要があります。相続税額が大きい場合は取得費加算の方が有利になるケースもありますので、必ず税理士にシミュレーションを依頼してください。
2027年税制改正の注意点
2027年以降の税制改正に向けた議論が進んでいます。高額な売却益がある場合、2026年中の売却が税制面で有利になる可能性が指摘されています。
具体的な改正内容はまだ確定していませんが、相続不動産の売却を検討されている方は、税制動向にも注意を払っておくことをおすすめします。
※税制改正の情報は流動的です。最新の情報は国税庁のウェブサイトや税理士にご確認ください。あくまで参考情報としてご覧ください。
| 特例 | 控除額 | 主な要件 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円特別控除 | 最大3,000万円 | 被相続人居住の家屋、3年以内の売却 | なし |
| 空き家特例 | 3,000万円 (相続人3人以上は2,000万円) | 一人暮らしの被相続人、耐震リフォームまたは解体 | 2027年12月31日まで |
| 取得費加算の特例 | 相続税額の一部 | 相続税申告期限の翌日から3年以内の売却 | なし |
ここがポイント
- 3,000万円特別控除で譲渡所得税がゼロになるケースも。適用要件の確認は必須
- 空き家特例は2027年12月31日まで。相続人3人以上は控除額2,000万円に引き下げ
- 取得費加算と3,000万円控除は併用不可。有利な方を税理士と選択する
- 2027年税制改正にも注目。2026年中の売却が有利になる可能性あり
大阪の相続不動産売却 — エリア別の相場感



「大阪で相続した不動産だけど、だいたいどれくらいで売れるもの?」



「エリアによってかなり差があります。おおまかな相場感をお伝えしますね。ただし、あくまで参考値ですので、正確な査定は複数社に依頼されることをおすすめします」
大阪エリアで相続した不動産の売却を検討されている方に向けて、エリア別のおおまかな相場感をお伝えします。
※以下の数値は2026年4月時点の参考値であり、実際の取引価格は個別の物件条件や市場動向により大きく変動します。あくまで目安としてご覧ください。宅建業法第47条に基づき、断定的な価格判断は行っておりません。
大阪市内(北区・中央区・天王寺区)
大阪市の中心部は、再開発やインバウンド需要の影響もあり、地価が堅調に推移しているエリアです。
北区(梅田・中之島周辺)は坪あたり180万円から250万円程度、天王寺区(上本町・四天王寺周辺)は坪あたり150万円から200万円程度が目安です。特に北区は大阪・関西万博に向けたインフラ整備の効果もあり、需要が底堅い状況が続いています。
ただし、築年数の古いマンションや狭小地、再建築不可の物件などは、相場通りの価格では売却が難しいケースもあります。
北摂エリア(吹田・豊中・箕面)
教育環境や生活利便性の高さで人気の北摂エリア。ファミリー層の需要が安定しており、相続した戸建て住宅の流動性は比較的高いエリアです。
吹田市は坪あたり100万円から150万円程度、豊中市は坪あたり90万円から140万円程度が目安です。千里ニュータウンや豊中市の駅近エリアは特に人気があります。
阪神間(西宮・芦屋・尼崎)
阪神間は大阪・神戸の両方にアクセスが良く、特に西宮市・芦屋市は文教地区として根強い人気があります。
西宮市は坪あたり120万円から180万円程度です。夙川や苦楽園、甲陽園などのブランドエリアは高値での取引が見られます。芦屋市はさらに高く、エリアによっては坪200万円を超えるケースもあります。
| エリア | 坪単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 大阪市北区 | 180〜250万円 | 再開発効果で堅調。駅近物件は特に需要が高い |
| 大阪市天王寺区 | 150〜200万円 | 教育環境の良さで根強い人気 |
| 吹田市 | 100〜150万円 | 千里ニュータウン中心にファミリー需要が安定 |
| 豊中市 | 90〜140万円 | 駅近戸建ての流動性が高い |
| 西宮市 | 120〜180万円 | 文教地区。夙川・苦楽園はブランド力が高い |
繰り返しになりますが、上記はあくまで参考値です。実際の査定額は物件の個別条件(立地、面積、築年数、接道状況、建物の状態、周辺環境など)によって大きく変わります。同じエリア内でも、駅からの距離や用途地域、前面道路の幅員によって坪単価に2倍以上の開きが出ることも珍しくありません。正確な価格を知りたい場合は、複数の不動産会社に査定を依頼されることをおすすめします。
ここがポイント
- 大阪市北区は再開発とインバウンド効果で地価が堅調。天王寺区は教育環境で人気
- 北摂エリアはファミリー需要が安定しており、相続戸建ての流動性が高い
- 阪神間の西宮市・芦屋市はブランドエリアとして高値取引が見られる
- 正確な価格は個別条件次第。必ず複数社に査定を依頼する
失敗しないための5つの注意点
相続不動産の売却で後悔しないために、押さえておいていただきたいポイントを5つにまとめました。
注意点1: 3年以内の売却で税制特例を最大活用
前述の税制特例の多くは、「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」が期限です。
たとえば2024年6月に相続が開始した場合、2027年12月31日までが期限となります。「いつか売ろう」と思いながら先延ばしにしているうちに期限を過ぎてしまうケースは少なくありません。
売却を決断されるタイミングはそれぞれですが、特例の期限だけは頭の片隅に置いておいてください。もちろん、売却を急ぐ必要はありません。ご自身のペースで、しかし期限を意識した上で判断されることが大切です。
- 3年期限を過ぎると「取得費加算の特例」「空き家特例」が使えなくなり、税負担が数百万円増えるリスク
- 相続人間で意見が割れたまま放置すると、共有名義のまま売却が困難になるケースも
- 空き家のまま放置すると「特定空き家」に指定され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性
注意点2: 「高値査定」の罠に注意



「査定額が一番高い会社に頼めばいいんじゃないの?」



「実はそうとは限りません。高値査定で媒介契約を取りたいだけの会社もあります。結果的に売れ残って値下げを繰り返し、最初から適正価格で出した方が高く売れたというケースも多いんですよ」
不動産会社の中には、媒介契約を取りたいがために、実際の相場よりもかなり高い査定額を提示するケースがあります。
高値で売り出した結果、問い合わせがほとんど入らず、3ヶ月後、半年後に値下げを繰り返すことになれば、「売れ残り物件」という印象がついてしまいます。結果的に、最初から適正価格で売り出していた場合よりも安い価格での成約になることも珍しくありません。
査定額の根拠を具体的に説明してくれるか、周辺の成約事例をもとに話してくれるか、売主の立場に立ったアドバイスをしてくれるか。そういった点を見極めて、信頼できる不動産会社を選んでください。
注意点3: 共有名義のまま売らない
相続人が複数いる場合、遺産分割協議がまとまらないまま共有名義で不動産を保有するケースがあります。しかし、共有名義のままでは、売却時に全員の合意が必要になり、一人でも反対すれば売却できません。
将来的に売却の可能性があるなら、遺産分割協議の段階で「誰が相続するか」を明確にしておくことが、トラブル防止の鍵です。換価分割(売却して現金を分ける)を選ぶ場合でも、代表相続人を一人決めて名義を統一しておくとスムーズです。
注意点4: 空き家のまま放置しない
先ほども触れましたが、空き家を放置するリスクは年々高まっています。管理不全空家や特定空家に指定されると、固定資産税の優遇が外れるだけでなく、行政からの改善命令や最終的には行政代執行(強制的な解体)に至るケースもあります。
すぐに売却しない場合でも、定期的な管理は必ず行ってください。最低でも月に1回は換気や通水を行い、庭の草木の手入れも欠かさないようにしましょう。遠方にお住まいの場合は、空き家管理サービスの利用も一つの方法です。月額1万円前後から利用できるサービスが増えています。
売却するにしても、空き家を適切に管理しておくことは販売価格にも影響します。荒れた状態の家は購入希望者の印象が悪くなり、値下げ交渉の材料にされやすいのです。
注意点5: 税理士との連携は必須
相続不動産の売却では、相続税と譲渡所得税の両方が絡みます。どの特例を使うか、いつ売却するか、取得費をどう算定するかによって、最終的な手取り額が大きく変わります。
相続税と譲渡所得税の最適化は、必ず税理士と連携してください。相続に強い税理士であれば、特例の適用判断や最適な売却タイミングのアドバイスも受けられます。
また、売却の最適なタイミングと方法は、不動産のプロとの相談で見えてきます。税理士と不動産エージェント、両方の専門家と連携することで、手取り額を最大化する道筋が明確になります。「一人で全部調べなければ」と思い込む必要はありません。プロを頼っていただいて構いません。
ここがポイント
- 税制特例の「3年以内」期限は絶対に把握しておく。先延ばしで数百万円の損失も
- 高値査定の罠に注意。適正価格で確実に売る方が結果的に手取りが大きい
- 共有名義のままでは売却困難。遺産分割の段階で名義を統一しておく
- 税理士と不動産エージェント、両方の専門家との連携で手取り額を最大化する
まとめ



相続不動産の売却って、想像以上に複雑なんですね…。最後にポイントを整理してもらえますか?
- 売却の判断は「維持費」「納税資金」「空き家リスク」の3基準で考える — 売却以外の選択肢(賃貸・リフォーム・保有)も含めて検討を
- 手続きは7ステップ — 遺産分割協議と相続登記(2024年4月義務化・3年以内)を最初に済ませる
- 税制特例を知っているかどうかで手取り額が数百万円変わる — 3,000万円特別控除・空き家特例・取得費加算のうち、最も有利な特例を税理士と選択する
- 購入当時の売買契約書は最重要書類 — 見つからない場合は取得費が売却額の5%に限定され、税負担が大幅に増える
- 「3年以内」の売却期限を意識する — ただし急ぐ必要はなく、ご自身のペースで進めることが大切
- 高値査定の罠に注意 — 適正価格で確実に売る方が、結果的に手取り額が大きくなることが多い
- 相続に強い税理士と不動産エージェントの両方と連携する — プロの力を借りることで、最善の結果に近づける
相続は、大切な方との別れの後に訪れるものです。悲しみの中で冷静な判断を求められるのは、本当に大変なことだと思います。
私自身、お客様の相続不動産のご相談をお受けする中で、「もっと早く相談しておけばよかった」というお声を何度もいただいてきました。逆に、「プロに相談したことで気持ちが楽になった」というお声もたくさんいただいています。一人で調べて、一人で判断して、一人で手続きを進める必要はありません。
だからこそ、一人で抱え込まないでください。専門家の力を借りることは、決して弱さではありません。
売却の第一歩を一緒に踏み出しましょう。MuchiNaviでは、相続不動産の売却に関するご相談を随時お受けしています。「何から始めればいいかわからない」「まだ売ると決めたわけではないけれど、選択肢を知りたい」という段階でも構いません。お気軽にご相談ください。
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参考情報
| # | 出典 | URL |
|---|---|---|
| 1 | 国税庁「被相続人の居住用財産を売った時の特例」 | https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm |
| 2 | チェスター「相続不動産の売却ガイド」 | https://chester-tax.com/encyclopedia/13775.html |
| 3 | あすなろ「相続不動産の売却手続き」 | https://www.azn.co.jp/column/20250523-1139.html |
| 4 | 中日新聞「相続から3年以内の売却」 | https://nakajitsu.com/column/68398p/ |
| 5 | ベンチャーサポート「相続不動産の税金と特例」 | https://vs-group.jp/sozokuzei/soldrealestate/ |
| 6 | HT税理士法人「2027年税制改正と不動産売却」 | https://www.ht-tax.or.jp/sozoku-guide/real-estate-stock-sale-tax-2026 |
| 7 | HOME4U「3,000万円特別控除の解説」 | https://www.home4u.jp/sell/juku/know-how/sell-85-12907 |
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の不動産取引や税務判断を推奨するものではありません。記載情報は2026年4月時点のものです。税制は毎年変更される可能性があります。実際の税額計算や特例の適用判断は必ず税理士に、不動産の売却に関する判断は不動産の専門家にご相談ください。


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